「初心忘るべからず」いつも自分の受け口を広げておくことで、自分の世界を広げられる。

読んだ本は?
風姿花伝(花伝書)
【この本を読んだ人】
年齢: 47歳
性別: 女性(自営業)
業界: 芸術関係(1人~5人規模)
職種: 舞台役者

わたしが「風姿花伝(花伝書)」を手に取った理由

いまのようにAIやインターネット等のない昔に、権力構想のなかにあって生き残る逞しさや、だからといって権力に屈する事のない強靭な精神と言うものがこの[風姿花伝]には描かれています。

日本で初めての芸術論であり、人生の教科書的な内容であり、何も娯楽のない時に、人々を魅了する芸術を大成して、更に戯曲作家としてだけではなく、演出家としても、また役者としてオールマイティーに活躍した世阿弥という芸能者の生きる力に感銘したからです。

「風姿花伝(花伝書)」を読んで活きたこと

[風姿花伝]のなかの言葉は学術的にも有名で取り上げられていますが、1つ1つの言葉に人生とは!と言うテーマがあり、そして目的が感じられました。

例えば[初心忘るべからず]当初は初めてその事柄に触れた初々しい気持ちを忘れずに~と思っていましたが、読み込んでいくとそうではなく、いつの時にも[謙虚に貪欲に物事に向き合う事]を指しているように思いました。

初心~すぐに何でも経験を前にだしてしまいがちですが、自分の目線が正しいと言う訳ではなく、やはり違う目線からの提案にもちゃんと対応出来る心を持つことの大切さを感じる事ができました。

いつも自分の受け口をきちんと広げておく事が強いては自分の世界をも、つながりをも広くする事に繋がるなぁとこの本から学びました。

ちょっと迷った時や立ち止まった時に、今の私達にもちゃんと響く言葉を発している先人達の生き抜く力はとても凄いと感じます。

昔だから~ではなく、昔だからこそ、生きる事に真摯に向き合う力はいまの時代には忘れられた1つの大切なメッセージだなと思っています。

壁にあたった時に、是非ちょっと広く目を向けて新たな突破口を模索していくのはよいのかなと思っています。

まだまだ人生30~50年と言われていた時代に、世阿弥が向き合い残した人生観にはいまだからこそ共鳴出来るのかなと思います。

決して昔の本ではなく生き生きとした言葉に力が湧いてくる。私も理不尽な事の多い中でも随分と元気をもらいました。これからも明るく前を向きたいです。

こんな人におすすめ!

・人生に迷いや戸惑いのある人

書籍情報

著 者 世阿弥 (著)
野上 豊一郎 (編さん)
西尾 実 (編さん)
発売日 1958/10/25
出版社 岩波書店
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