読んだ本は? | |
バブル―日本迷走の原点― |
【この本を読んだ人】 | ||
年齢: | 60歳 | |
性別: | 男性 | |
業界: | 金融(200人~500人規模) | |
職種: | ファイナンシャルプランナー関連の企画立案 |
わたしが「バブル―日本迷走の原点―」を手に取った理由
昨年、定年退職を迎えるにあたって、職場の後輩たちに勧めたい書籍を紹介してほしいとの依頼が人事部からあり、若手社会人にとって生まれる前の、昭和後半から起きたバブル経済とその破綻が緻密に解説されている本書を購入・購読しました。
2023年6月、日本は、CPIが3%を超えているにもかかわらず、金融緩和政策を継続しており、市民の家計は苦しくなる一方で、株式市場は33年ぶりの高値となっている。
購読を推薦しておいてよかったと思っています。
「バブル―日本迷走の原点―」を読んで活きたこと
不動産バブル崩壊から既に30年を過ぎ、その後もITバブル、アベノミクスによる株バブル、そしてコロナバブルなど、さまざまなバブルが起きては短期間に破綻しています。後進にどの様に伝えるかは、現場で経験してきた私も興味を持っておりました。
今までも様々なバブル崩壊物語史を読みましたが、同時代を生きた私にとって説得力のある書籍としてすすめたいです。
戦後システムからグローバル化が進んだ結果のプラザ合意、思えばこれがバブルの着火台だったのではないでしょうか。
リスク感覚が欠如し、「日経平均は8万円になる」と経済評論家はしたり顔でテレビでコメントしていましたよね。
当時社会システムの末端にいた者皆が感じていた矛盾や疑問を政策決定者が感じることが出来なかったのは残念ですが、いつまでも楽観的な経済金融環境が継続するものではないことを改めて認識した次第です。
今では考えられない銀行の杜撰な審査、国内にゴルフ場をいったん作れば、あとは輪転機を回すように金が入ってくる。
国内だけでは飽き足らず、海外のリゾート事業に進出した信用組合、信用金庫のトップ等々、若手社会人からすれば「おとぎ話」を読むような思いを持つかもしれませんね。
コンプライアンスの欠如と言えば、それだけでしょうが政・官・財が結託すれば、「みんなで渡ればこわくない」と考えたのでしょう。
では、今ではそのようなことは絶対に起きない体制になっているか?日本の財政政策・金融政策の内容、諸外国との比較等、現在の政策のウオッチとともに、過去の視点から十分見極めていくことの大切さを本書は教えてくれました。
こんな人におすすめ!
不動産バブルはおろか、ITバブル、リーマンショックも知らない若手社会人が第一線で金融関連の業務を行っています。
現在でも日銀が継続している超緩和の金融政策はいつかは崩壊することを、本書を通じて学んでほしい。
よって、若年層の金融関係者すべての人に読んでもらいたいです。
書籍情報
著 者 | 永野健二 (著) | |
発売日 | 2019/5/1 | |
出版社 | 新潮社 | |
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